平成28年に700年を迎えた「小城祇園夏祭り」。毎年、7月の第四日曜日に、上町、中町、下町がそれぞれ趣向を凝らした山を小城の下町交差点から須賀神社まで曳き、奉納を行います。
祇園夏祭りの起源は、鎌倉時代末期に関東からきて、小城の町を造った千葉胤貞(ちばたねさだ)が、軍事訓練を兼ねて山挽き神事を行ったことによります。五穀豊穣、疫病退散、地域の安全を祈願する祭りとして、千葉氏滅亡後も、小城藩主となった鍋島家によって受け継がれ、今日に伝わっています。
かつては博多祇園祭よりも盛大で勇壮な小城の祇園祭でした。昔から「見事見るには博多の祇園、人間見るには小城の祇園」とまで言われるほど小城の祇園は温もりにあふれ、多くの人々に愛され続けてきた祭りです。伝統にのっとり、人の手によって釘を一切使わず、藁、竹、蔓だけで2ヶ月程の準備期間を経て作り上げた「山車」を100人がかりで引っ張ります。
男たちの力強い掛け声、子どもたちが打つ締太鼓(しめだいこ)のリズミカルな音色や元気いっぱいのかけ声が響き渡る風景は、まさに城下町小城の夏を彩る風物詩です。